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アメリカ・ナイアガラからのお客様

その実を拾ったのは、アメリカ旅行中のこと。前半はカナダ側から、後半はアメリカ側からナイアガラを訪問した。前半が終わり、後半になってまた東部に戻ったときの再度ナイアガラによったがアメリカ側は地味なものだ。ひとっけの少ない雪の公園を歩いていて、ふと、樹木を見上げるとリスが動いている。しきりに何か食べているようだ。近寄って下を見ると赤い木の実を落としている。赤い実の大きさは5mm程度のもので、いくつかが房になっていたようにも思うが記憶ははっきりしない。そもそもそのナイアガラに行ったのがいつの年かもはっきりしない。阪神淡路大震災(1995年1月)の前後だったろうか。

拾った実をペットボトルで作ったポットに入れておいたら翌年の春だろう、芽が出てきた。お宝、大事大事の誕生です。やがてポットに植え替えられたが、さほど面倒を見たわけではない。ただのブッシュみたいで大きな刺だけが特徴。花を咲かせることも無い。ベランダ住まいだから背が伸びすぎるといきなり切られたりしてその場所に収まるようにされていた。乾燥と風にも耐えた。ポットのサイズは少しずつ大きくなったが10号程度どまりだったか。

地植えにされたのが漸く2011年の秋だったか。ポットの中では15年程度過ごしたことになる。庭の何処に植えるか。シンボルツリーに相応しい樹形になるかどうか怪しいものだが、狭い庭のほぼ中央に植えた。秋が深まり葉は落ちた。鋭い刺を見つけてもずが虫か蛙を刺していった。

さて問題は冬だ。雪よりも寒さに耐えることができるかどうか。2011年から2012年に掛けての冬は近年に無い寒い冬だった。凍結被害まででてしまった。春先になっても連日霜柱がたっている。

春。新芽が一斉に吹き出した。今までの鬱憤を晴らすようにその勢いはすさまじい。春から夏にかけて、樹高は1メートルちょっとで止められていたものが、今度は伸び放題。50センチは伸びただろう。徒長した頂点はもはや見下ろすことができなくなった。とは言え、まだまだ苗木と変わらない姿かたちだ。

秋。紅葉だ。今までもポットの中で紅葉しなかった訳ではないだろうが、風で飛ばされるのだろう、楽しむことは無かった。今度はしっかり色づいた葉を見せてくれた。ここで改めて、この木は何だ?ということになった。調べ方も分からず。取り敢えず、名無しの木、ナナノキとしておく。

2回目の寒い冬。鋭い刺だけが目立つブッシュの姿をさらしている。



リスが動いていたのは雪の中でも青々した常緑樹でしたが、目の前の木は普通の落葉樹です。リスが落としていった赤い実は何だったのだろう。それとも旅行中に他にも実を採取して記憶のものと摩り替わったのだろうか。不思議な気分だ。

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